キスと媚び

2004年5月30日
電車の中で、白人(男)と日本人(女)のカップル。

彼ら、特に日本人女性を見て不愉快な気分になる。

男性が電車内で女性にキスをせまる。

女性は照れてそれにこたえる。

周囲への迷惑という罪悪感のカケラも見えない。

もちろん、客もうざったそうに見てみぬふり。

なんで、彼女は自分の彼氏に‘日本では電車内のキスは迷惑だからダメ’って

言えないんだ?

なんで?なんでだ?

頼むからあたしもしたかったなんて言わないでくれ。

彼氏がキスを迫った事ではなく、それを日本人としての常識をもって‘今はダメ’と彼を制止できない彼女が年齢よりすごく幼く、薄っぺらに見えた。

そこに対等な関係などなく、私は一昔前に流行った‘イェローキャブ’という言葉をすぐに思い出してしまう。

彼女は英語を喋れないが、2人のコミュニケーションは英語。 

その時点で失礼かもしれないが私にはそのカップルが人間と犬にしかみえなかった。

英語というコミュニケーションを軸に圧倒的優位な立場にいる彼氏。それはやっぱり人間が犬に人間語を使って犬をコントロールする図にあまりにも似ている。2人(人間と犬)が共有する空間では常に人間語、そこに犬語を使う余地はない。そこにあるのは‘信頼関係’ではあるかもしれないがそこに‘対等’な関係などは生まれない。

思うに言語というツールは紙一重だ。ある空間を誰かと共有する場合,その空間の主体言語の知識が弱い者が結局は弱い立場になることが多々ある。  

‘媚びる’

という弱者特有の行動はこういう時に必ず現れるものだ。今回の電車内のキスも彼女の彼に対する愛情表現もあったのだろうけど、同時に公の迷惑を気にせずにするところに彼に対する‘媚び’があるような気がする。彼女の彼氏が仮に日本人で電車内でキスを求めたら、同じようにするのだろうか。そう考えるとますます‘媚びる’という言葉のイメージが強くなってしまう。  

世の中には日本人でありながらも、英語で彼氏(彼女)とコミュニケーションをするだけでなく、議論しても打ち負かせる頼もしいというかすごい人が結構いる。更に彼氏(彼女)に普段の生活は日本語でコミュニケーションを貫き通してしまうツワモノもいる。 

最近は頼もしい日本人が増えたなァと思っていただけに、少しだけ今回のケースは寂しかったです。

 

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