幻の手

2005年5月31日 映画
笑ってしまう話、手を鍛えていたことがある。

手といっても、空手でいう貫手の状態でこれは一般のグーよりもパーに近く、指を揃えて先っちょが横一列で綺麗にならぶ状態。親指は人差し指の根元あたりに添える感じ。

効果的に対象物を深く突く為の形である。

そんな手の型をエゲレス時代の一時期に鍛えていた。

その時期はまだ留学の2年目くらいで昔カジッテイタ格闘技の影響もあって‘一撃で相手を倒す美学’に夢中な時期でもあった。

エゲレスには体が大柄のもいるし、何かの折に一撃で倒すのはさぞ痛快だろうなァと思いながら不安と好奇心の中で手を鍛えていた。

ある日、それがとんでもないくらいの威力があることがわかり、もうそれでお腹一杯で鍛えることもやめてしまった。

そもそも相手を倒すとかがどうでもよくなった。

そして長いエゲレスの滞在でそれは誰にも使うことなく、今では鍛えていない私の手は完全に普通の手に戻ってしまっている。

今じゃ、ダンボールをついても突き指するのではなかろうか。。。

子供だったというか、そんなのに頼らざるを得ないほど自分に自信がなかったというか、とにかく弱い自分の拠り所となるものが形として欲しかったのだろうなぁと解釈している。

今思うと懐かしい。

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